オーバーホール・・・。
よく聞く言葉ですね。特に古いバイクになると欠かせない事柄ですが、どこまで?どんなことをやってるのかは中々良く分からない物もあると思います。なので少し紹介してみましょう。
最近の不安定な天気のおかげでバイクが外に出せません。不安定なのは私のバイオリズムも似たようなモノですが勘弁してほしいものです。
なのでそんな日には省スペースで出来る作業となりますな、やっぱり。
だもんでエンジンのリビルド、オーバーホールです。
オーバーホール。その名の通り『穴』なんですね。穴をオーバーにするのです。
しかし大きすぎては当然いけません。
何事も適度な穴がよろしいかと。バイクも人も・・・。
穴は大切なんです。
うくくっ・・・。
穴といえば沢山ありますが今回はクランクに絞ってお届けします。
フライホイールにコンロッドやらシャフトやらベアリングやらが組み込まれてクランクアッセンブリになるわけですがまずはコンロッド上下の穴。
上はピストンがつく小さな穴。ここはブッシュが入ります。新しいブッシュに代えてリーマーで仕上ればピタリの寸法が出ます。これは簡単。
問題は下。ここはクランクピンとベアリングが収まりますがその収まり方、クリアランス(隙間)が超重要。ピストンの上下運動を回転動力に変換する重要な部分で御座います!
まずは現在のコンロッドベアリングレース、ベアリング、クランクピンの寸法を測りますと現在のクリアランスは0.053ミリ。
指定は0.0254ミリですので倍くらいに広がっていますのでオーバーサイズのベアリングに交換です。
計算により0.0006インチオーバーのベアリングに交換します。
で、代えればいいジャーんってわけにはいきません。だってこのままではオーバーサイズのベアリングとのクリアランスが適正ではありません。
0.017ミリほど大きくしてやればピシャリ!クリアランスは0.0254になるのでツ!
旋盤に専用のラッピングリーマーを取り付け、ダイヤモンドペーストを塗り塗り誌ながらラップしていきます。
回しては測り、回しては測り・・・。
なんせ千分の一単位ラップなんでめっちゃ神経使いますわ~。
そんなこんなで見事0.0254のクリアランスで仕上がりましたで!
あ、このエンジンは1970のFLH,ショベルです。
これからはケース側のレースの計測、それからフライホイールのバランスを取って芯だし、組み立てとなるわけですが、あまりにも盛りだくさん過ぎるので本日はここまで!
しなやかに回るベアリングにうっとり・・・。
するる・・・。
by iomblog | 2008-09-02 13:48 | 日記